2014年に公開された、クリストファー・ノーランの作品。彼の作品は、複雑なストーリーが多く、このインターステラーも例外ではない。しかし、どの作品もメッセージ性が強く素晴らしい作品です。この作品には、「愛」というメッセージが込められているので、そこにも意識して観てみると新たな発見が得られます。
1. あらすじ
異常気象による人類滅亡の危機が迫る中、新しい惑星への移住を目指す「ラザロ計画」を進めていた。しかし、そのためには、重力をコントロールする方程式を見つける必要があった。元宇宙飛行士の主人公・クーパーは、娘の反対を押し切りこの難題へと立ち向かう。クーパー達は、無事に惑星を見つけることができたのか?
2. ラザロ計画
新しい惑星を見つけて人類を移住させるラザロ計画には、2つのプランがあった。
・「宇宙ステーションを打ち上げて全人類を脱出させる」
新しい惑星を見つけ、生活環境を整えるまでには途方もない時間がかかります。そのため、移住の準備ができるまでの移住空間となる巨大な宇宙ステーションを打ち上げる作戦。しかし、重力をコントロールし巨大な物体を浮上させるための方程式の解明が必要であった。
・「別の惑星で受精卵を人工培養」
保管した受精卵を新しい惑星に持ち込み、そこで再び種の繁栄を目指す作戦。ただこの作戦は、地球上の人類が滅亡する運命は変わらず、種の保存が目的となる。
3. クーパー達が訪れた惑星
・「水の惑星」
先遺隊が送ってきた「人類が住める星を見つけた」という信号を希望に向かった。しかし、そこにあったのは着陸船の残骸のみで先遺隊の姿はなかった。さらに、重力の影響で1時間が地球の7年間に値し、大きな時間ロスにつながってしまう。
・「マン博士の惑星 or エドマンズ飛行士の惑星」
大きく時間をロスしてしまったクーパー達は、残された燃料から二つの惑星のどちらかを選択せざる得なくなってしまう。アメリアは、エドマンズ飛行士の惑星を強く推すが、「恋人に会いたい」という理由を見抜かれ、信号も途絶えていたことからマン博士の惑星に向かうことを決断する
・「氷の惑星」
冷凍睡眠から目覚めたマン博士は、この星が我々が探していた星だと告げるが、実際はアンモニアを含むこの星では呼吸ができず人類が生存できる環境ではなかった。孤独に耐えられなくなったマン博士が送った嘘の信号であったのだ。
4. 地球への帰還
氷の惑星から脱出し、地球への帰還を目指すクーパー達であったが、マン博士の暴走により機体が大きく破損してしまい絶望的に。クーパーは、ブラックホールのエネルギーを利用してエドマンズ飛行士の惑星へ向かう計画を立てる。作戦は無事成功するが、その代償でクーパーはブラックホールへ吸い込まれてしまう。
5. ブラックホール
クーパーはブラックホール内で五次元空間にたどり着く。その空間は、過去・現在・未来がつながっていることに気づき、娘のマーフにモールス信号でメッセージを送る。
マーフが幼少期の頃に経験した本が落ちる怪奇現象は、父・クーパーが人類を救うために未来から送られたメッセージであったのだ。
6. 愛
クーパーは、過去の自分を変えるためのメッセージを送るが過去を変えることができない。そんな時に、アメリアの「愛は私たちにも感知できる。時間も空間も超える。」という言葉を思い出すクーパーは、五次元空間が自分と娘をつなげていることに意味があることに気がつき、重力の方程式に関するデータをマーフに伝える。
マーフは、父からのメッセージに気づき「宇宙ステーションを打ち上げて全人類を脱出させる」というラザロ計画を実現する。
7. 感想
人類の存続を目指した父・クーパーと、父からのメッセージを解読し人類を救った娘・マーフの再会のシーンにはとても感動しました。
複雑な物語で、科学的な論理を理解することは難しいですが、この作品で伝えたいことはそういったことではなく「愛」だと思います。家族愛に満たされたいそんなあなたにおすすめの作品です。クリストファーノーランの作品はどれも人間愛に溢れているので、共感された方は他の作品も見て観てください。