映画「ロストケア」 介護について考える

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ロストケア」ネタバレレビュー、あらすじ、感想、評価。

第16回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた、葉真中顕の小説を映画化したサスペンス。松山ケンイチ演じる介護士長澤まさみ演じる検事が、各々異なる「救い」「殺人」という主張をぶつけ合う。高齢者が増え続ける今の日本が抱える「介護」「家族」の問題に切り込んだ作品です。

1. あらすじ

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早朝の民家で老⼈と介護センター所長の死体が発⾒され、犯⼈として訪問介護センターに勤める斯波宗典松山ケンイチ)に疑いが掛けられる。彼は献身的な介護士として介護家族に慕われる⼼優しい青年だったが、斯波が務める訪問介護センターで老⼈の死亡率が異常に高いことが判明。斯波は犯行を認めたものの、⾃分がした行為は「殺⼈」ではなく「救い」だと主張する。斯波の⾔う「救い」とは⼀体何を意味するのか。なぜ、⼼優しい青年が未曽有の連続殺⼈犯となったのか。「救いとは?」「正義とは?」「家族の幸せとは」現在の⽇本が抱える社会と家族の問題に正面から切り込む。

 

2. 介護士・斯波宗典

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介護士の斯波宗典は、今日も同僚とともに高齢者の自宅を回って介護をしていた。家族が疲弊しているときも斯波は優しく親身に高齢者と接し、新しく入った後輩も彼を尊敬の眼差しで見ています。

 

3. 検事と介護士

検察事務官の椎名はケアセンター八賀での利用者の死亡件数が県内平均よりも圧倒的に多いことに気づき、斯波の殺風景な部屋にあった3年に及ぶ介護ノートを調べる。その結果、死亡した利用者たちの死亡推定時刻が斯波の休日に集中していることを突き止める。予想に反して斯波はあっさりと殺人を認め、その理由を介護している家族が限界で救いの手が必要だったからと答える。また、41人の高齢者の殺害が確認されていたが、斯波は「これは喪失の介護、ロストケアです。42人救いました。」と話す。

 

4. 斯波宗典と父

42人と41人の違いには、彼の父親の存在が関係していた。過去に斯波はひとりでは生活できなくなった父と同居し介護をしていた。斯波の父は自分が認知症であることを理解し、自分も息子も苦しんでいる現状を悲しみ、「息子を覚えているうちに、父親として死にたい。殺してくれ。」と頼む。数日後、入手した注射器にタバコから抽出したニコチンを入れ父に注射して殺害するが不審死ということでその場で検死がおこなわれましたが結果は心不全。この犯罪がバレなかったことがのちの大量殺人のきっかけになる。

 

5. 斯波宗典が伝えたこと

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介護士として働き始めた斯波は、かつての自分たちのように介護に疲弊している家族をたくさん目の当たりにした。そして、自分が救ってほしかったように、彼らを救うべく密かに殺人を続けてきた。「生活保護さえ受けられない、この社会には穴がある。この穴に落ちたらなかなか抜けられずおかしくなってくる」と斯波は淡々と語る。

 

6. 感想

「介護」という今の日本の抱える大きな問題に焦点を当てた作品でした。最終的な結末が明示されていないため、自分の中でとても考えさせられました。私は、安楽死という考え方に賛成の意見を持っています。現に、この作品の主人公の考え方には共感できました。これから、介護と社会の両立ができなくなってしまう家族が増えていくと考えられる中で、国として、個人としてどのような対策をしていくべきなのか、あなたもぜひこの作品を通して考えてみてはいかがでしょうか?

 

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