以前、参加した治験を参考に、特に有償の治験ボランティアに関して、何をするのか、どれくらいの報酬がもらえるのか解説します。
1. 治験ってなに?
私たちが日常使用している医薬品は、化学合成物質や植物、菌などから発見された物質が元になっています。この物質を、さらに開発していくことでクスリの候補が出来上がります。次の段階では、安全性や有効性をチェックします。具体的には、動物やヒトに投与します。この人に投与することを臨床試験と呼び、国の承認を得るために必要な資料を集めるため行うことを治験と呼びます。
2. 治験に参加するメリット・デメリット
メリット
- 高額な報酬を得られる。(税金がかからない)
- 期間中、健康的な生活が強制的にできる。
- 検査時の検査結果から、異常な数値がないか確認できる
デメリット
- 長期スケジュールを空ける必要がある(入院前の検査から1ヶ月ほどかかる場合も)
- 確率は低いが、副反応が出ることがある。
- 治験中に、長期間集団生活が余儀なくされる。
3. 報酬や参加条件
治験の内容によって様々ですが、安い治験でも日当にすると2万円以上もらえます。高額な治験では、数十万円と言ったこともザラではありません。
基本的には、健康な成人男性が対象になるものが多いです。直近に薬を服用した場合や、治療中の場合は、その薬の影響が出てしまうため参加するのは難しいです。また、女性や幅広い年齢層が参加できる治験もありますが、健康男性に比較すると少し報酬が低い傾向があります。また、疾患を持っている人(アトピー、肥満症など)に対する限定的な治験もあります。こちらは、報酬に幅があり、治験薬の内容もよく確認すべきです。
4. 実際の体験談
私はこれまで、3回治験ボランティアに参加しました。そこでの経験を実際にお伝えします。
参加した治験は全てジェネリック医薬品の有効性に関する試験です。ジェネリック医薬品は、すでに使われている薬とほとんど同じものなので、リスクも低いと考え友人数名と治験に応募しました。しかし、友人5人中合格したのは2人のみ。その理由を聞いてみると今回の治験ではある遺伝子を持っている方限定だったためでした。その分、報酬も高額で2泊3日を2セットで約20万円でした。
試験の内容は、昼食後に薬を服用し、頻回に血液を採取されました。1回目に参加した治験は、留置針と呼ばれる常に刺さっている針から血液を採取されたのでそこまで体に負担はありませんでしたが、2、3回目参加したものは毎回針を刺して合計20回ほど血液を採取された(1回量は、数mL)のでとても大変でした。
治験中に体調悪くした方が1人いましたが、医師や看護師がすぐそばにいるのですぐに対応していましたし、軽い貧血のような感じでしたので薬を飲んで副作用が出るというケースはほとんどないと思いました。(治験内容にもよると思います。)
病院での生活は、退屈ではあるもののとても快適で多数の漫画があり、他者に危害を与えるような危険なもの以外持ち込みも可能でしたので、パソコンで動画を見たり、ゲームをして過ごしていました。食事は、入院食ではなくお弁当で、変わり映えがないものでしたが美味しかったです。
5. 治験に参加してみて
拘束時間が長く、スケージュールが合わないと参加しづらいですが、期間中は割と自由なことをして過ごせますし、何よりも報酬が他のアルバイトの数倍あるためとても有意義でした。私が参加したものは、頻回の血液採取でしたが、献血で採取される量よりも少なく、体に異常な影響はありませんでした。また、参加時には友人との参加をおすすめします。一度1人で参加しましたが、長い時間病院で1人で過ごすことの退屈さを大きく感じたので、周りの友人にも声をかけて参加して見てください。
6. まとめ
いかがでしたか?学生には、高額な報酬がもらえる点でとても人気な治験ですが、リスクに関してはよく資料を読んで勉強するべきだと思います。治験内容はよく理解した上で参加の判断を取るようにしましょう。高額な報酬に踊らされ、悪質なものに引っかからないように、自分が納得した条件の治験にだけ参加してみてください。