小説家・川村元気の作品で、佐藤健演じる主人公・大倉一男のお金に振り回される人生を描いています。2年の月日をかけて、計120人の億万長者からエピソードやストーリーをベースにしているため、この作品を見ることであなたのお金に対する価値観も変わるかもしれません。
主人公・大倉一男は、失踪した弟が残した借金の返済に追われ、妻と別居し家族バラバラになってしまった。日中は図書館司書、夜はパン工場を掛け持ちで働いて、お金に翻弄された苦しい日々を過ごしていた。 そんなある日、三億円の宝くじに当選し億万長者となる。自分に足りなかった「お金」を手に入れたことで、全てがうまくいくと確信した一男であったが、大金を手にしたことで変わってしまう人々を知り、学生時代の親友・古河九十九(高橋一生)に相談することに。15年ぶりの再会に、すっかり酒に酔ってしまいぐっすりと眠ってしまう一男。目を覚ますと、九十九と三億円の姿がなくなっていた。 一男は、九十九の行方を追う中で、お金・家族・友情のあり方を探していく。 『頭ん中で行ったり来たりしたのがカネや。金で家族が戻ってくるなんて、そんなもん幻想もええとこや』 北村一輝演じる百瀬とは競馬場で出会い、百瀬の提案で馬券を買ってもらうことに。その馬券はなんと的中し、一億円手に入れる。しかし、手にした一億円を最終レースの百瀬の馬に全て賭けることに。惜しくも外れ、失った一億円を悔しがる一男であったが、百瀬は実際に馬券は一度も買っていなかった。 『人類はお金を崇める宗教を信じさせられている』 藤原竜也演じるマネーセミナーの教祖・千住清人。参加したセミナーでは、カリスマ性あふれる千住がこんな紙切れとお金を投げ捨て、それに釣られた客も各々財布からお金を投げ捨てる。そして、「お金から解放された今。あなたの夢、絶対に叶います。」と言葉をかける。セミナー終了後、投げ捨てられたお金を集める千住は、「本当のお金の価値をわかっている人はほとんどいない。だから自分のような口先三寸で人をペテンにかけるようなことをしても、それに価値を感じてお金を出す人がいるならそれでいい。それがその人が決めたお金の価値なのだから」と一男に語った。 『お金に翻弄されることは愚かなこと』 沢尻エリカ演じる九十九の元秘書・安田十和子。九十九の恋人でもあった安田も、以前九十九が経営していたバイカムという会社で大きな富を築き上げ、お金に翻弄されていた。しかし、お金・ファッション・食べ物に興味がない男性に巡り合いお金という呪縛から解放されたのであった。 『変わらないんだよお金は、使う人が重くも軽くもする。お金を変えるのは人なんだ』 高橋一生演じる学生時代の親友・古河九十九。3億円を手に入れた一男に、使い道を相談されまずは、現金化してお金を使ってみようと持ちかける。その夜、三億円と共に姿を消した。昔の仲間に一男が相談した後、娘のバレエの発表会に足を運び、電車で帰宅している時、三億円と共に九十九が姿を現す。そして一男に、『1グラムも変わっていない、あの日君が持ってきた時のままだ。このお金、今の君にはどう見える?』と問う。それに対して一男は『全く別物に見える。あの時は、お金でなんでも解決できると思っていたが、なにもわかっていなかった』と語るのであった。 三億円は無事手元に帰ってきた一男であったが、その頃には、お金が家族の溝を埋めることができないということがわかっていた。そんな一男は、娘が欲しがっていた自転車を、「賞金で初めて買った買い物です」というメモと共にプレゼントし、遠目から眺めていた。 電車で九十九が一男に『このお金、今の君にはどう見える?』と問うシーン。 お金に翻弄された人生を過ごし、お金で全てをなかったことにできると無意識のうちに信じていたが、九十九の仕事仲間に出会うことで少しずつお金の価値に気づいていく。実際に一男と同じ心情を感じることで、この九十九の問いに対する答えが自分の中に少しは見つかった気がしました。 あまり評価の高くない作品ですが、私はお金の価値を体感して学べるすごくためになる作品だと思いました。メルカリなどのフリーマーケットや、あなたの環境、国の景気などを考えれば、『お金自体は何も変わらない、お金の価値を変えているのは人なんだ』という言葉は、とても納得できる言葉ではないでしょうか?人生に変化があるだけ、お金の価値にも変化があるはずです。どんな時もお金に翻弄されるのではなく、家族を愛し、友人を信頼して、今を生きることが大切なんだと学ばせてくれる素晴らしい作品でした。
1.あらすじ
2.お金の価値を教えてくれるシーン
3. 幸せはお金で買えるのか?
4. 一番印象に残ったシーン
5. 感想